また歩きたい道と、暮らしの中にあるいい時間

東京の暮らしの中にも、
ふと心がやわらぐようなことってあるんだなって思った.

キラキラした観光地じゃなくても、
犬との散歩や、近所の魚屋さんとの会話みたいな、
そんな日常のひとこまに「ああ、いい時間だったな」って思える瞬間がある.

そんなことをblogに残しておきたくて、
読んでくれた人と一部分でも良いから共感できたら嬉しいです.


目次

きっかけは、犬の立ち止まり

真夏の朝でした.
いつも何気なく通っていた一軒家の前で、おじいさんが芝のお手入れをしていました.

いつもならそのまま素通りするところを、ルトがふと足を止めたんです.
その様子を見たおじいさんが芝刈りの手を止めて、
「よかったらお庭に入っていいよ」と声をかけてくれました.

ふいにひらいた、小さなお庭

そんなこんなで、お庭にお邪魔することに.
「リードなんて取っていいから、走り回りなさい」
おじいさんは、そうやって自分にもルトにも話しかけてくれました.

その優しさに甘えてリードを外すと、
ルトは最初こそ初めての場所に戸惑いながら匂いを嗅いでいたけれど、
数分もしないうちに、勢いよく、うれしそうな顔で走り回っていました.

その様子を見て、お家からおばあさんが出てきて、
「美人なワンちゃんね」とやさしく声をかけてくれました.

「お父さんはね、私より犬のほうが好きなのよ.
だから、いつでも遊びにきてね」って笑ってくれて——

驚いたけど、うれしかったです.
こんなほっこりした出来事が、東京にもあるんだなあと、あらためて思いました.


観光地じゃなくても、伝えたくなる場所

住宅街の中にある、ひとつの一軒家.

観光地のようなキラキラした場所ではないし、何か特別なものがあるわけでもない.
でも、自分には観光地とおんなじくらい、気分が上がりました.

「ここ通ってもいいよ」と言ってくれた人の気持ちがうれしくて、
それ以来、毎朝のお散歩ルートが自然とそっちに向くようになりました.

このお家の門が見えると、
なんだかルトも足どりが軽くなって、うれしそうにしてるんじゃないかな?と想像してしまいます.

観光地じゃない.
でも、この場所は、自分にとって「また来たい」と思える、お気に入りの場所になりました.

老夫婦の優しさが背中を押してくれた

お散歩をしているとき、ふとお魚屋さんが目にとまりました.
実は前から気になっていたけど、
こじんまりしているし、お得意さんでもないし…と、いろいろ理由をつけて避けていました.

でもその日は、お庭を開放してくれた老夫婦のやさしさに背中を押されたようで、
「ちょっと寄ってみようかな」と思えたんです.

誰かの手が加わったものって、安心で優しいな

そんな気持ちに背中を押されて、お魚屋さんに立ち寄ってみました.

夜だけ開いている路面の魚屋さん.
看板も広告もなくて、手書きの文字で「●●円」と書かれてるだけ.
それでも、そこには近所の人がふらっと寄って、自然と会話が生まれるあたたかさがありました.

「最近、虫の駆除剤がいろんな家でまかれてるから、わんちゃんの拾い食いには気をつけてね」
「コンビニの前に犬をつないでおくと、盗難があるって話もあってね」
そんな風に、店主さんは自分のことを覚えていてくれて、気さくに声をかけてくれました.

買ったのは、ホッキ貝などが入ったマヨネーズ和えの一品と、小ぶりのブリの煮つけ.


どちらも「骨は全部取ってあるから、そのまま食べられるよ」とやさしく説明してくれて、
パックの中には、ちゃんと手がかけられた“安心”が詰まっていました.

生魚ももちろん並んでいたけれど、こういう一品料理があることが、
一人で暮らす自分にとっては、ものすごくありがたい.

犬の散歩の途中で、こんなにやさしさに触れながら、食材が手に入るって、すごいことだなと思った.


商店街にある、会話の重さとやさしさ

いつもスーパーで買い物をしていると、
“必要なものを手に入れる”ことが習慣になります.
でもこの魚屋さんでは、“何を食べようか”ではなく、
「おすすめありますか?」と、自然と尋ねたくなる.

おすすめしてくれたブリの煮つけやホッキ貝のマヨ和えが、思っていた以上にやさしい味で、会話を思い出しながら食べると、よりいっそう美味しく感じました.
いつもの食卓が、ほんの少しだけ贅沢でほっこりする時間になりました.

帰り道、ブリの煮付けとホッキ貝のマヨ和えが入ったビニール袋にルトが吠えていたのは魚屋さんには内緒です.笑

自分にとっての「心地よい場所」

お庭を通らせてくれたご老人夫婦と、魚屋さんのひとこと.
観光地でも、映えるスポットでもないけれど、
「またあの道を歩きたいな」
「またあの店で何かを買いたいな」
そんなふうに思える場所が、ちゃんとあるんだなと思いました.

それは、自分が暮らしている場所に対して、
ほんの少しずつ「好き」が増えていくことで、その場所が自分にとっての「居心地の良い場所」になっていくんだなって思いました.

たったひとつの気づきから

この文章は、誰かに届けようと思って書いたものではありません.
でももし、読んでくれた誰かが「なんだかほっこりするな」と思ってくれたら、それはとても嬉しいことです.

きっと、いつか違う土地に住むことになっても、
こういう日常の中の気づきを、ていねいに拾って、
また誰かに、そっと伝えていけたらいいなと思います.

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この記事を書いた人

lifehack系minimalist
趣味は読書、スポーツ観戦
生活費月10万円生活

minimalism思考をベースにシンプルで心地よい暮らしをするために日常生活で役立つちょっとしたアイデアやテクニックをあれこれ追求して日々楽しんでいるミニマリストです。

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